[レスターは苦労人集団]サッカーおとぎ話完結へ レスターが想像以上に苦労人集団だった件について GK・DF編
サッカーが好きです。小学校低学年で辞めたけど好きです。
サッカー好き以外の方もご存知と思いますが、昨年イングランドプレミアリーグで残留争いをしていたレスターシティがまさかの優勝をしました。
いわゆるジャイアントキリングのどでかい版です。一発勝負でのジャイアントキリングは過去あった気がします。
例えばマイアミの奇跡(日本1対0ブラジル)やRマドリード0対4アルコルコン(2009年スペイン国王杯で3部チームがレアル・マドリードに勝利)なんかがジャイアントキリングに当たります。
英ブックメーカーが5001倍だったことからもノーマークどころか降格するかどうかの賭けの方が賭けとして成り立っていたんではないでしょうか。
長丁場のリーグ戦で勝ちきる事は、選手層や経験値の面から考えてもとてつもない事です。過去プレミアリーグでも強豪以外でブラックバーンが(今は2部)優勝したことはあります。しかしオーナの潤沢な資金によってスター選手(アラン・シアラーなど)を獲得してきた事で成し遂げた事ものです。レスターには他のチームと比べれば資金もトップクラスの選手もいません。
じゃあどんな選手がいたんだという事が気になって取りあえずスタメンクラスの選手について調べてみました。
レスタースタメンGK・DF
GK
(Kasper Schmeichel, 1986年11月5日 :デンマーク代表)
DF
(Wesley Nathan Morgan 1984年1月21日 -イングランド・ジャマイカ代表 CB)
(Christian Fuchs、1986年4月7日 -オーストリア代表 左SB)
(Robert Huth, 1984年8月18日 - 元ドイツ代表 CB)
(Daniel "Danny" Simpson, 1987年1月4日 - イングランド 右SB)
七光りに苦しむ守護神GKカスパー・シュマイケル
画像参照【マンチェスターU】あのレジェンドの子が・・・|欧州サッカーニュース
これは自分のキャリアを助けるものじゃなかったね。正反対だったと感じている。もしそれがなければ、もっとプレミアリーグでプレーできていたかもしれない。
問題は、僕はもう29歳だということだよ。結婚しているし、二人の子供もいる。しかし、人々はまだ僕を誰かの子供だとみなしている」
マンチェスターユナイテッドとデンマークのレジェンド、GK ピーター・シュマイケルの実子。常に父親と比較され、ユース時代から過ごしてきたマンチェスターシティではトップチーム昇格を果たすも、目立った活躍もなくその後チームを点々とし、レスターに移籍してきた。それでも2014-2015の活躍によりマンチェスターユナイテッドを含む強豪などへの移籍の噂も流れたが残留。レスターの最後の砦として今年度はスーパープレーを連発した。世代別の代表には選ばれていたものの、念願の本代表デビューは2013年と遅咲き。
■経歴(参照 カスパー・シュマイケル - Wikipedia)
- マンチェスター・シティFC 2003 - 2009
- → ダーリントンFC 2006.1 - 1 (loan)
- → ベリーFC 2006.2 - 5 (loan)
- → ベリーFC 2006.8 - 11 (loan)
- → フォルカークFC 2007.1 - 5 (loan)
- → カーディフ・シティFC 2007.10 - 2008.1 (loan)
- → コヴェントリー・シティFC 2008.3 - 5 (loan)
- ノッツ・カウンティFC 2009 - 2010
- リーズ・ユナイテッドAFC 2010 - 2011
- レスター・シティFC 2011 -
■カスパー・シュマイケル ベストセーブ動画
#1 Kasper Schmeichel •● Best Saves ●• 2015/2016 || Leicester City || HD 720p
■父 ピーター・シュマイケル スーパープレー集
世界で一番最高のサッカーゴールキーパー!ピーター・シュマイケル!
30歳でのプレミアデビュー、遅咲きのキャプテン ウェズ・モーガン
画像参照:サッカーキング:レスターの躍進支える主将モーガン、リーグ制覇は「我々の手の中」 - 毎日新聞
3部リーグからキャリアをスタートし、2012年に10年在籍したノッティンガム・フォレストからレスターに移籍。レスターのチャンピオンシップ優勝(2部)に貢献し、2014年に自身のキャリア初のプレミアリーグデビューを果たす。既に30歳になっていた。2014年は厳しい残留争いに巻き込まれるも、残留に貢献。今年は、レスターのキャプテンとして支え続け、要所ではセットプレーからの得点をし、優勝に貢献した。イングランド生まれだが、本代表への選出がなく、2013年からジャマイカ代表になっている。
2002-2012 | ノッティンガム・フォレスト | 352 | (12) |
---|---|---|---|
2002 | → キダーミンスター (loan) | 5 | (1) |
2012- | レスター | 159 | (5) |
■モーガンのナイスプレイ動画
Wes Morgan | "The Wall" | Best Defensive Skills | Leicester
内田篤人の元同僚 シャルケに捨てられたDF クリスティアン・フクス
画像参照 http://blog-imgs-67.fc2.com/o/a/t/oatak/3830.jpg
もともとオーストリアでキャリアをスタートし、そのアマチュアチームからドイツ・ボーフムへ移籍、トップデビュー。その後ボーフムが降格したためマインツへ移籍しEL出場権を獲得に貢献した。この実績を買われブンデス強豪のシャルケへの移籍を果たし4年間プレーをした。シャルケでの同僚内田篤人と中が良いことで知った人もいるかもしれない。オーストリア代表ではキャンプテンになるなど、キャリアは輝かしいものに見えたが、シャルケの成績低下と内部での混乱があり(当時エースだったプリンス・ボアテングがシーズン中に退団)、契約満了によりレスターに移籍となったのだ。移籍の際
「必要というわけじゃない。でもここで人生の4年間を過ごしたというのに、サヨナラの一言もないんだ」参照 www.goal.com
という嘆きがさすように、4年間活躍してきた古巣からの冷たい対応についてフクスには、釈然としない思いがあったようだ。2015年5月にレスターに加入した彼には自分を捨てたシャルケを見返したいという思いがあったに違いない。
各年代の代表、本代表キャプテン、クラブでのキャリアもアマチュアからいきなりブンデスへそこからレンタルで認められ、ドイツ強豪。レスターへの移籍はキャリアの躓きかと思いきや、プレミアリーグ優勝メンバーとなった。実力もさることながら、実は強運の星の元に生まれているのかもしれない。
2002-2003 | 1.ウィーナー・ノイシュタットSC | 12 | (0) |
---|---|---|---|
2003-2008 | SVマッテルスブルク | 140 | (11) |
2008-2011 | VfLボーフム | 53 | (6) |
2010-2011 | → 1.FSVマインツ05 (loan) | 31 | (0) |
2011-2015 | シャルケ04 | 99 | (4) |
2015- | レスター・シティFC | 0 | (0 |
参照:クリスティアン・フックス
■クリスティアンフクス ナイスプレイ動画(シャルケ時代)
- Wikipedia
チェルシー「ロシア革命」の犠牲者 ラニエリと苦い過去を共有するベテランCBロベルト・フート
若くして、チェルシーに見いだされたフートはそのキャリアのほとんどをイングランドで過ごしている。ラニエリ率いるチェルシーで17歳にプロデビューを果たし、才能は早くに開花するが、ジョン・テリー、ウィリアム・ギャラス、さらにジョゼッペ・モウリーニョとともにやってきたリカルド・カルヴァーリョの存在からスタメンへの定着は難しく、いわゆるロシア革命によりラニエリ・強化部長のウォルシュと時同じくして、チームを離れる事になった。その後ミドルズブラ・ストークシティと渡り歩き、ミドルズブラでは怪我での出場機会の減少するがストークシティでは調子を戻し、2014年途中から加わったレスターでは終盤の重要な試合でコンスタントに活躍し、完全移籍となった。フクスとは対照的に感謝のコメントを古巣からもらっている。
トニー・スコールズCEOは、「ロベルトはクラブにとって素晴らしい選手で、ファンのお気に入りだった。この数年におけるクラブの進歩において、重要な役割を果たしてくれた。我々は今後の彼の成功を祈っている」とコメントしている。
クラブ | 出場 | (得点) | |
2002-2006 | チェルシー | 42 | (0) |
---|---|---|---|
2006-2009 | ミドルズブラ | 53 | (2) |
2009-2015 | ストーク・シティ | 149 | (13) |
2015 | → レスター・シティ | 14 | (1) |
2015- | レスター・シティ | 34 |
ドイツ代表でも世代別代表・コンフェデレーションズカップ・Wカップに出場するなど活躍している。しかしレーヴ体制になってからは、マッツ・フンメルスなど若手の台頭に押し出されるようにして、招集されなくなっている。
長いレンタル移籍の苦労人 サイドバック ダニー・シンプソン
マンチェスター・ユナイテッドユース出身で、そのままトップチームデビューを果たしている。しかし、各国及び英国の代表レギュラーが集まるトップチームでの活躍はなく、2006年デビュー以後は長いレンタル生活となる。(マンチェスターユナイテッドの名選手ガリー・ネビルが不動の右サイドバックだったため、ケガによる欠場のときに出場がある程度だった。)その後2009年からレンタル加入したニューカッスルのプレミア復帰に貢献し、完全移籍を果たし、右サイドバックに定着する。この間、選手としての活躍よりもスピード違反や、町での一般人との喧嘩など(ニューカッスルDF、出血し昏倒した姿を撮られる)私生活は安定しなかった。ニューカッスル時代は4年で終了し、2部だったQPBに移籍、こちらでもプレミア昇格に貢献する。2014年夏よりレスターに移籍、残留に貢献。さらに今年の優勝にも貢献し、長くくすぶっていた才能がようやく開花した。代表招集経験はない。経歴だけ見ると昇格・残留請負人のような形。
2006-2010 | マンチェスター・ユナイテッド | 3 | (0) |
---|---|---|---|
2006 | → ロイヤル・アントワープ (loan) | 14 | (0) |
2006 | → ロイヤル・アントワープ (loan) | 16 | (0) |
2007 | → サンダーランド (loan) | 14 | (0) |
2008 | → イプスウィッチ (loan) | 8 | (0) |
2008-2009 | → ブラックバーン (loan) | 12 | (0) |
2009-2010 | → ニューカッスル (loan) | 20 | (1) |
2010-2013 | ニューカッスル | 103 | (0) |
2013-2014 | QPR | 33 | (0) |
2014- | レスター | 0 | (0 |
■ダニー・シンプソン動画
エリア内でシュートを打ったのがシンプソンです。
岡崎慎司ゴー ル !11戦ぶり今季2点目 ニューカッスル・ユナイテッドFC vs レスター・シティFC 0-3
レスターのGK・DF編についての所感
GK・DFに代表クラスが揃っているのにプレミアリーグでは小規模クラブ。。いかに厳しいリーグなのかがわかりますね。
シュマイケルの七光りへの苦悩やキャプテンモーガンの遅咲き、早くに才能が開花したけれど、良いチームに恵まれなかった、フートとシンプソン。じつは運がいいフクス。GK・DFを軽く調べてみても十分物語性がありますね。調べていて、たのしいです。次はMF編です。
Nunber901 「岡崎慎司とレスターの衝撃」はめちゃくちゃテンション上がります。よろしければご一読を。
次はレスターMF編です。