踏切・遮断器好きの子供のために知っておきたい踏切の種類や用語
何度か書いていますが、うちの息子氏は踏み切り及び遮断器といった電車にまつわるものが好きなので、彼と一緒にいろいろと踏み切り動画や実際の踏み切りを見る機会が多く、踏切にちょっとした違いや種類、踏切回りに見慣れない装置があることに気が付きました。
子供が生まれる前から踏み切りに違いがあることやなんの役割かよくわからない装置があるのは薄々気がついてはいましたが、別に調べようという気にはならなかったのに不思議なもので、詳しく知りたくなりました。
今回は踏み切りの種類とその動画についてまとめてみました。
日本の踏切の基礎用語
そもそも我々が「踏切」というのは、鉄道と道路の交差した部分のことだけを指し、「踏切道」とも呼ばれます。
踏切道は、通行人、自動車・自転車等の安全で円滑な通行に配慮したものであり、踏切保安装置を設けたものでなくてはならないそうです。(参照:鉄道に関する技術上の基準を定める省令)
踏切保安装置とは、踏切における通行の安全を図るために設置されるものです。
具体的には以下のようなものが踏切保安装置です。
踏切保安装置の種類
踏切警報機踏切
踏切道において、列車または車両が接近した場合、赤色の閃光、音響などによって、通行人や自動車などに警報する機器。いわゆる「カンカン」と息子が読んでいるものは、正式名称は「自動踏切警報器」です。
列車進行方向指示器
踏切に接近する列車、または車両の進行方向を、通行する歩行者・自動車などに知らせる機器。右方向の矢印、左方向の矢印など電光掲示板で示されています。
踏切遮断機
遮断棹(しゃだんかん)とそれを動かす機械で構成されているのが踏切遮断機です。遮断棹は黄色と黒のストライプになっていることが多い踏切棒のことです。設置の際は、原則として踏切道の左側に設置することが国土交通省の告示で定められています。言われてみれば左にありますね。
踏切制御子
踏切保安装置などを制御するために設けられた、列車、または車両を検知する機器です。短小軌道回路が使用されるそうです。軌道回路とは、鉄道において線路上の特定区間に列車が存在するかどうかを検知する電気的な装置のことです。
踏切列車接近表示装置
踏切係員に対し、列車、または車両の接近を、音響器及び表示灯によって表示する装置です。「踏切注意」とか「列車が来ます」など電光掲示板などで表示されるものです。
踏切支障報知装置
踏切が支障して防護する必要があるとき、操作装置、または踏切障害物検知装置によって、特殊信号を現示する装置。操作装置は非常ボタンといわれることも多い。
踏切障害物検知装置
踏切に設置されている安全装置で、略して「障検」と呼ばれているそうです。
踏切内の自動車などを自動的に検知して、その状態を自動的に列車や駅などに通報する保安装置で、光センサーや超音波、ステレオカメラなど種類があるようですが、一般人ではあまり気が付きません。
踏切動作反応灯
踏切に接近中の列車、または車両などの乗務員に対し、踏切遮断機、または踏切警報機が正常に動作しているかを知らせるための反応灯です。JR線にはあまり設置されていないようです。
踏切使用停止板
通行者に対し、踏切保安装置の使用停止を知らせる表示板です。
踏切故障表示器
踏切に接近中の列車、または車両にいる乗務員などに対し、踏切遮断機、または踏切警報機が正常に動作しているかを知らせるための反応灯です。
この他にもあるようですが、調べていて疲れました。。
ただ、踏切回りについては、他の交通と鉄道の交わりがあるため、様々な設備を用いて安全を保とうとしているのがわかりました。こういった地道な努力によって日々の電車の運行が保たれているのかと思うとちょっと感動してきました。
用語参照:公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道技術用語辞典第3版
日本の踏み切りの種類はおおむね4種類
いよいよ踏切(踏切道)の種類についてです。踏切と一口に言っても実は4種類あるそうです。
ざっくり説明しますと
第1種:警報機・遮断機のある、一般的にイメージする踏切です。
第2種:踏切係の人が遮断機をおろすタイプ。現在廃止。
第3種:警報機だけしかない踏切です。
第4種:警報機も遮断機もない踏切です。(これは踏切なのか・・・)
少ないのか多いのかは判断は付きませんけれどとにかく4種類あるんだよというのが息子に説明できて簡単な違いが言えたらOKでしょう。ちょっと尊敬されるかもしれません。
詳細の説明です。
第1種踏切道
すべての電車に対して警報機がカンカン鳴って、遮断棒がおりてくるタイプのもの。
実は第1種踏切道はさらに3種類に分類できるそうです。多い!
第1種甲踏切道
完全自動の踏切です。最もポピュラーなタイプで踏切といえばこれをイメージするでしょう。
第1種乙踏切
人が遮断棒を操作するタイプのものでレアです。危険なので、甲に変更するか立体交差に順次変更されているようです。
2017/08/15 [JR東日本] 鶴見線 大川支線 日本鋳造踏切 [手動第1種乙踏切] 踏切の守衛さん、いつも安全確認ご苦労様です。
第1種半自動踏切
半自動踏切は自動と手動が併用されるものです。以下は手動の踏切です。
手動式 第一種踏切 (6-Feb-2011) 片上鉄道保存会
第1種重力踏切
重力踏切は、電車が近づくと遮断機が遮断幹(しゃだんかん)の重さで降りるものです。BRIOとかプラレールなどではありますが現実にもあるんですね。
第2種踏切道
昭和40年度までに廃止された踏切です。
通行量の多い一部の時間だけ、踏切保安係(踏切警手)が上げ下げを行うという踏切で事故が多発したそうです。これらは、第1種や第3種に置き換えられていったそうです。
第3種踏切道
遮断機がなく、警報機だけが設定されている踏切です。危ないですね・・。
第1種同様に全自動と人が半自動(人が操作)があります。
第4種踏切道
踏切標識と遮断柵だけがある警報機も遮断機もない、小さな踏切です。
かなり危険な気がしますが。交通量や電車の運行量も少ない場所にしかないようです。
歩行者などが自ら電車が来ていないか目視で渡ることになります。
小さな踏切と言っても、幅には種類があり、歩行者やバイクだけが渡れる踏切、軽車両程度なら通れるものなどもあり、なんと千葉の都市部にもまだあるようです。
踏切の種類・用語まとめ
踏切は様々な設備に支えられ、各鉄道の規模に応じて種類も4種類以上あることがわかりました。一方で、危険な踏切もいまだあり、都市部では渋滞などの温床にもなることから鉄道の線路が地下へ移行し、年々数を減らしています。
息子が大きくなる頃には、一緒に見た踏切もなくなり、思い出だけが残るんだろうなと寂しい気持ちにもなってきます。せめて息子の中にも思い出として残ってくれたら嬉しいですね。
Amazonで踏切関係の本を探して興味を持ったのですが、高い!